【フランスにまた戻ってきました。
今年もまたカンヌ映画祭が始まります。
間もなく始まる映画祭では、今年の旬な情報を「フォトグラファー」としての視点でレポートしていきます!
が、その前に立ち寄ったパリ紀行をお届けします!】
友人宅に招かれていたのでエッフェル塔が窓から見える6Fの、屋根裏部屋を何部屋もくっつけて改築したお洒落なアパルトマンに。
手土産に、日本から持ってきたお菓子と小皿、それから昨日購入したばかりのチーズを持って。
そこには、懐かしい顔ぶれの友人たちがたくさん集まっていました。
パリの友人たちと言えば、映画監督に文筆家、編集者にプレスカメラマン、数学の教師・・・割と日本では出会いづらい(!)職業の友人に恵まれているので、
当然、興味深い話がいろいろ、ザックザックと掘り出されます。
来年あたりから冬時間がなくなること(!)、
学校教育がリフォームされること、
政治のこと。
尖塔を失ったノートルダム大聖堂の今後のこと。
どんどん酷くなるパリ市内の車事情。
1年ぶりのパリですが、この一年の間に新聞の一面になるような惨事のニュースばかりが目に付いていたので(ノートルダム大聖堂の火災、パリ中心地での大きなガス爆発、延々と続くイエローベストたちの間にフェスタシオン・・・と枚挙にいとまがないくらいでした。哀しいことに。)、パリの内側にはどんな空気が流れているのだろうかと心配で非常に気がかりでした。
でも、内側では、そんなことはあまり感じられない。
もちろん、道に駐車していた自分の車がイエローベストに囲まれていて焦った、とか
100メートルほど先ではポルシェが燃やされていたからびっくりして、自分のアパルトマンから下を眺めていた、とか
そんな話はいくらでも飛び出してはくるのですが、
そんなびっくりする出来事も、結局は日常のもっと直接気になるパーソナルな出来事に流されて浄化されていく・・・
確かに、そんなものかもしれません。
だから、私が心配したような暗さは、
集まったみんなの雰囲気からは微塵も感じられなかったし、
みんなは元気で、
前も向いて日々進んでいるということがはっきりとわかり、
先入観に囚われていたのは私の方こそだと感じさせられた夜でした。
普段往き来位する分には地下鉄の治安も別に悪くないし(前から特に良かった訳ではありませんが)、特に変わりは感じられませんでした。
それよりも
洞窟のように掘られたタイル貼りの廊下で、
許可書を持ったミュージシャンがソロで演奏するサックスの音色が、
どこか物哀しく心に響きました。
こういうものは、東京ではないですね・・・